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DSHEA法とは?
健康への意識向上と医療費の膨張抑制を目的に成立
「年々膨張する医療費を抑えたい」という米政府筋の強い意向のもと、1994年、米国で「ダイエタリー・サプリメント・ヘルス・アンド・エデュケーション・アクト(DSHEA)=栄養補助食品健康教育法(ハッチ・ハーキンズ法案)=」が成立した。最近の健康業界はさまざまなタイプの健康食品が入り乱れている。にもかかわらず、これまでの法律は、「薬」か「食品」かの2分類しか認可していなかった(ビタミン剤などは後者)。そのため、消費者の間に混乱を生じさせていた。そこで、混乱に乗じて市場に出回っていた「薬剤」と称する製品の取り締まりに、米食品医薬品局(FDA)が本腰を上げた。
DSHEAの大きな柱は、従来の2分類に加え、新しい「健康補助食品」(中間自然成分)と呼ばれる中間に位置する分野を確立したこと。この名称は、法案検討に早くから関わっていきたステファン・L・デフェリス博士が生み出した。
「健康補助食品」は、自然成分からなる有効成分があるもの、つまり「食品」でありながら「薬」のように作用する製品。認定されるためには、かなり厳しい審査をパスしなければならない。一般的に科学調査で安全性、安定性が認められ、動物実験による完璧なデータが出ていること。さらに、人体においても100%明白な効果データが出ていることが要求される。こうした審査をパスして初めて、ラベルにその効果が記載できることになる。
アメリカ政府は消費者に対しても、DSHEAで健康に対する意識向上を図ろうとしている。 DSHEAの内容は消費者への情報公開、医薬・食品関連指導の強化なども盛り込む。また、法案が成立することによって、米国民の健康を向上させ、慢性病の兆候を遅らせたいとし、膨張する医療費を抑えることが目的と序文に書かれている。国民一人一人が自分の健康を管理する時代に入ってきたともいえる。
「栄養補助食品の夜明け」と評価
DSHEA成立により、それまで食品扱いだった栄養補助食品が「健康補助食品」という分類下に据えられた。効能のラベル記載が合法化され、安全面での責任というやっかいな負担がFDAに移管され、栄養補助食品メーカー、そして関心のある消費者たちの間では、まるで「栄養補助食品の夜明け」とでもいわんばかりの画期的な法律が成立したと歓迎された。
現在、米国人の約50%がなんらかの栄養補助食品を利用しており、市場は40億ドル以上といわれている。あるメーカーはDSHEAを「この新しい法律は、FDA規制の商品では出来ない方法で、消費者に商品を教育する機会を与えてくれた」と絶賛。また、これまでうわさを頼りにいろいろな商品を試していた消費者たちの中でも「よい道しるべとなる」となかなかの評判だ。ラベルに効能を記載でき、雑誌の記事などに書かれた情報も規則に従えば自由に使えるようになり、消費者への栄養補助食品に対する啓蒙が容易になったことで、さらに関心が高まり市場が拡大するとの期待が寄せられている。
DSHEAには消費者への情報公開、医薬・食品関連指導の強化なども盛り込まれており、政府としては、国民の健康向上をはかり慢性病の兆候を遅らせることで、膨張する医療費節約にも繋げたいねらいだ。
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